高機能ペイントソフトKritaがイマイチ盛り上がらない理由

Kritaって、なんだかイマイチ盛り上がらない印象があります。その原因はどこにあるのか考えてみました。
有料ソフトにも劣らない機能があるのに
僕が執筆で関わらせていただいたKritaの解説本「Kritaでデジタルペイントマスター」が3月25日に発売になりました。
Kritaは、無料なのにブラシも豊富で、さらにレイヤー機能も優れている魅力的なお絵描きソフトです。使いこなせばPhotoshopやPainterに劣らないほどの表現力があると思っています。線画の手振れ補正なんかも付いているし、日本人ライクなイラストワークにも向いているソフトですし。それに、WindowsでもMacでも使えるというのもうれしいポイント。
にも関わらず、Kritaってなんだかイマイチ盛り上がらない印象があります。
お絵描きSNS大手の「Pixiv」ではツール検索ができますが、そもそもその選択肢に入ってこないほどの無名ぶりです。特別新しいソフトというわけではないのに(Kritaは、2005年にファーストバージョンが公開されています)。
高機能だからこそ人気がない?
その理由を考えていくと、一番は「言葉の壁」、そして二番目は「高機能ならではの習得の難しさ」にあるのではないか、と、そういう結論に辿り着きました。
Kritaは高機能な分、メニューやパネルも豊富に存在します。でも、今まではソフトが日本語化されていなかったので、メニューを見てもパネルを見ても「???」となってしまう人が多かったと思うんですね。「今までもいろいろなお絵描きソフトをいろいろ使ってきたから大丈夫だろう」という人を、たやすく返り討ちにしてしまうくらいは、機能が豊富なのです。
そんなこんなで、日本の多くの人は、ソフトを起動して10分以内に閉じてしまうんじゃないかな、と思います。
すでに述べた通り、使いこなせばかなりイケてるツールなので、もっと多くの人に使って欲しいのだけど…。
そう思っていたら、バージョン2.9から、公式サイトで配布されているプログラムが日本語に対応しました。正直、日本語の表現が不十分な部分もあるけど、習得の敷居は大きく下がったはず。
これをきっかけにユーザが徐々に増えていってくれないかなあ、と思う僕なのでした。
ちなみに、前述の解説本「Kritaでデジタルペイントマスター」は、Kritaの機能をほとんど網羅しています。使い方をじっくり知りたいという人にはとにかくおすすめです。