WWDC23でM2 Ultraが発表になり、M2シリーズのラインアップが一通り揃った感があります。そこで、現状のApple Silicon Mシリーズ(M1/M2)のスペックの違いをざっくりと図にまとめてみました。
Apple Silicon M1/M2シリーズのスペックの違い
こちらがその図です。難しいことを抜きにしても、M1 UltraやM2 Ultraのスペック的なすごさが伝わるのではないかと思います。図はクリックで拡大できます。
※図中のコア数は、各チップの最大搭載数を示しています。製品によって有効になっているコア数には違いがあります。
※搭載Mac、搭載iPadは2023年6月7日時点の情報です。
図をご覧いただく際のご注意
この図は、あくまでもスペックの違いを直感的に把握するためにつくったものです。ご覧いただく際には下記の点にご注意ください。
M1とM2では、CPU1コアあたりの処理能力が違います。Appleの公式発表によれば、マルチスレッド性能はM1に比べて18パーセント向上したといいます。つまり、単純にCPUコアの数だけでM1とM2を比較することはできません。
同じことは、GPUコアやNeural Engine用コアにも言えます。M2のGPUコア性能は、キャッシュサイズの増加などによりM1よりも処理能力が向上しているとしています。また、M2のNeural Engine用コアは、M1に比べ演算能力が40%向上しているといいます。
また、M1シリーズ/M2シリーズの中での比較において、コア数が2倍になったからといって単純に処理能力が2倍になるとは限りません。
さらに実機のパフォーマンスは、さまざまな要因によって変わってきます。マシンごとのパフォーマンスの違いはベンチマークサイトなどをご覧ください。
Apple Siliconざっくり用語解説
チップの話をするといろいろと難しい用語が出てくるので、補足的に用語解説を載せておきます。かなりざっくりですが、少しでもお役に立てば幸いです。
SoC:システム・オン・チップ(System on chip)の略。CPUだけでなく、GPUやメモリ、コントローラなどの回路を1つのチップ内に集約したつくりになっているチップのことを指します。Apple SiliconはすべてSoCです。
高性能コアと高効率コア:高性能コアは処理性能にフォーカスしたコア、高効率コアは低電力での動作にフォーカスしたコアです。
Neural Engine:ニューラルエンジン。機械学習の処理に特化した回路です。画像、ビデオ、音声の解析などで活用されます。
ユニファイドメモリ:SoCの中に入っているメモリです。CPUの外にメモリを置くよりも、より高速に読み書きできるようになります。
メモリ帯域:CPUとメモリとの間でデータを転送する際の転送速度のことです。単位はGB/s。ギガバイト/秒です。数値が大きいほうが高速になります。
お願い
上にも書いていますが、いろいろと補足が必要な図ではあるので、図だけを流用されてしまうとあらぬ誤解を招く可能性があります。引用される際は、元記事にリンクいただく形にしていただけると助かります。
参考・出典
- Apple、M1チップを発表
- M1 ProとM1 Maxが登場:Apple史上最もパワフルなチップ
- Apple、パーソナルコンピュータ向けとして世界で最もパワフルなチップのM1 Ultraを発表
- Apple、M1の画期的なパフォーマンスと能力をさらに高めたM2を発表
- Apple、次のレベルのワークフローを可能にする次世代チップのM2 ProとM2 Maxを発表
- Apple、M2 Ultraを発表