編集者・小平淳一の共有ノート編集者、ライター、クリエイティブディレクター。伝えたいことを実名で書き連ねます。

使ってわかったCarPlayの利点と課題(2018年版)

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車を買い替えて「CarPlay」対応に対応した車種を手に入れました。3カ月ほど使い続けて、便利さを感じると同時に課題も見えてきたので、一度書き留めておこうかと思います。
 

車にiOSをスマートにコネクト

 
CarPlayの魅力として最初に感じたのは、操作のスマートさとわかりやすさです。iPhoneをケーブルで車に繋げば、特別な操作をほとんど行うことなく車載ディスプレイがCarPlayに切り替わります。アイコンの並んだホーム画面のインターフェイスはもちろん、ミュージックアプリやマップアプリのインターフェイスや操作感もiPhoneに近いため、iPhoneを使っている人なら戸惑うことなく使い始められるでしょう。
 
さらに使い続けていくと、iPhoneと情報をシームレスに連携できる点こそが、CarPlayの真骨頂だと感じました。例えばマップアプリの場合、車に乗る前から目的地へのルート検索をしておくと、車につないだときにそのルート検索が反映されます。既存のカーナビの場合、目的地を住所で検索したり、施設名で検索するのが少々手間だったりするのですが、使いなれたiPhoneでルート検索できるというのは結構大きなメリットだと思います。また、電話をかけたりメッセージを送ったりといったことも、iPhoneの住所録と連携して簡単にできるようになっていますす。iPhoneを使い込んでいる人であればあるほど、連携による恩恵も増えていくでしょう。
 
さらに、CarPlayは音声アシスタントのSiriを使っていろいろなことを頼めます。僕の車はSiriを起動するボタンがハンドルについていますが、そのボタンを押して「次の曲」「プレイリスト“SONG”をシャッフル再生」など音楽をコントロールしたり、「妻に“これから帰る”とメッセージ」とお願いしたり。あるいは「明日の天気を教えて」というように、ちょっと気になったことを尋ねてみたり…。運転中はあまり細かな操作をしたくないので、声でさまざまな操作ができるSiriへの依存度は自然と高まります。
 
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Siriの頼りなさが第一の課題

 
とまあ、ここまでがCarPlayに対して感じた主なメリットなのですが、一方でCarPlayにはまだまだ多くの課題があるということも再確認しました。
 
まず、1つ目の課題がSiriの性能です。先ほど「Siriを使っていろいろなことを頼める」と書いたばかりですが、一方で期待する答えが得られないことも多いのです。米Stone Templeが今年4月に発表した調査結果によれば、5つのメジャーな音声アシスタントの中でSiriはもっとも正答率が低いという評価がされました。さらにこの調査では、「そもそも質問に答えようとしたかどうか」という点でもSiriが低いスコアだったと示されています。
 
実際、ドライブ中にSiriにいろいろ頼もうとして、話がなかなか通じずに困ったことがたくさんあります。「よくわかりません」や「運転中はできません」と、冷たく返されることが多いのです。あるいは、音楽を再生しながらマップを表示していて、次の曲にしたいときに「スキップ」と伝えたところ、「スキップ」という名称を含むスポットを探し始めたり…。現状では、イマイチ頼りにくい音声アシスタントだと歯がゆさを感じています。
 
さらに音声アシスタントという点では、マップアプリ使用中の音声ナビゲーションにも課題があると感じています。例えば僕は「上田(ウエダ)市」というところに住んでいるのですが、住所の「ウエダ」は正しく発音するのに、「ケーズデンキ上田店」はなぜか「ジョウデン」と発音します。また、「県道65号線を右へ」というとき「ケンドーロクジュウ・ゴーゴーセン」と、かなり微妙なところに間隔を挟んできたりします。「今なんて言ったの?」となって、ちょっと考えてからやっと意味を理解するといった感じでタイムラグが生じてしまい、ちょっとしたストレスにつながるのです。
 
まあ、日本語は漢字だけだと読みがわからないし、難しいというのはわかるのですが、Googleマップの音声ナビよりも発音がきになることが多いと感じます。「これも愛嬌」とは言い切れない問題なので、ぜひ改善していってほしいと思います。
 
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得られる恩恵がまだまだ限られている

 
もう一つの課題は、「得られる恩恵がまだまだ限られている」という点です。CarPlayで起動できるアプリは、「ミュージック」「マップ」「メッセージ」「電話」「Podcast」「オーディオブック」と、これくらいしかありません。ポットキャストもオーディオブックも利用していない僕にとっては、ほぼ音楽再生とマップの活用に限られます。
 
こうした状況の一因となっているのは、サードパーティ製アプリの少なさにあるといえます。サードパーティがCarPlay対応アプリを開発することは可能なようですが、現在対応しているアプリは「Amazon Music」や「Spotify」など、ごくわずかです。
 
例えばメッセージングアプリの場合、多くの人は「Facebookメッセンジャー」や「LINE」「Slack」などさまざまアプリ/サービスを併用していることでしょう。こうしたアプリがCarPlayで使えないとコミュニケーション相手は限定されてしまいます。また、マップ系アプリも、人によっては「Googleマップ」や「NAVITIME」アプリなど、サードパーティ製アプリを使いたいと思う人もいるはず。何かと不自由なCarPlayを使うよりも、iPhoneを直接見ながら運転したほうがいいのでは?と思う人も出てくるのではないでしょうか。
 
こうした圧倒的な「サードパーティアプリ不足」は、アップル側に理由があるのか、それともサードパーティが対応しようとしないのか、どちらなのかはわかりません。使う人の安全を守るため、アップルが対応アプリの審査を厳しくしている面があるかもしれませんが、それ以外にも、標準機能と競合するサードパーティ製アプリを意図的に排除している可能性もあるのではないでしょうか。しかし、ユーザにとって便利なものでなければ、CarPlayは結局広がっていかないでしょう。アップルには、CarPlay対応のアプリが増えていくよう、早急に手を打ってほしいと切に思います。
 

「進化できる車載システム」に期待

 
…とまあ、僕から見るとCarPlayにはまだ多くの課題がありますが、それでもCarPlayは「進化できる」点に期待を抱くことができます。iOSがバージョンアップすればCarPlayの機能も増えていくでしょうし、Siriはアップルのサーバ側が進化していくことで、今より賢くなっていく余地があります。そうした進化に期待しながら、CarPlayを使い続けていこうと思います。

…車載システムの覇権、Appleは取れるのでしょうか。AppleファンとしてはぜひCarPlayに台頭してほしいのですが、どうなんでしょうね。