Notionを使って「続けられる」読書記録をつくる方法

Digital Life

読書記録をつけることで、本の内容をしっかり振り返ることができ、自分の成長につなげられます。この記事では、Notionを活用した読書記録の方法を、初心者の方に向けてわかりやすくご紹介します。ポイントは「気軽に続けられるテンプレートをどうつくりあげるか」。ぜひ参考にしてみてください。

読書記録をつけようと思ったわけ

そもそも、なぜ僕が読書記録をつけようと思ったのかという話から始めますね。それには主に3つの理由があります。

1つ目は、最近本を読む量が減ってきたと感じたからです。ライターで編集者という仕事柄、もっと本を読まないといけないな…という気持ちが高まっていたのでした。

2つ目は、アウトプットの力を鍛えたいと思ったからです。昔、尊敬しているクリエイターさんから「何か作品に触れたときは、それがなぜ面白いと感じたのかを考える癖をつけるといいよ」と言われて、それが習慣になっていました。でも、ただ頭で考えるだけではなく、文章にしてみることでより考えを整理できるのではないかと思いました。

そして3つ目は、書かないと忘れてしまうからです。「物事はいったん言語化しないと、記憶に定着させるにくい」という話をどこかで聞いて、大いに納得したのです。まあ、最近忘れっぽくなってきているというのもあるのですけど…。

そんなわけで、半年くらい前から読書記録(読書メモ)をつけ始めました。

読んだ本の感想だけでなく、体験したこととか、食べ物の味とか、いったん言葉にしておかないと覚えておくのが難しくありませんか? 僕は、「あるがままを覚えておく」のはちょっと苦手です。

よく目にするけど、Notionってなに?

読書記録をつけるために僕が選んだツールが、Notionでした。Notionは2016年から提供されているWebサービスなので、知っている人も多いと思います。でも一方で、「聞いたことはあるけどどんなツールかはよくわからない」という人もまだまだいるのではないでしょうか。そこで、まずはざっくりとNotionについて説明しておきますね。

Notionは、簡単に言うとシステム手帳のデジタル版みたいなものです。メモとかカレンダーとか、表組みとか、いろいろな種類のページ(リフィル)を綴じて使える便利な手帳です。まとめて管理できる便利なツールです。システム手帳でいうところのリフィルにあたる「テンプレート」は、公開されているものを自由にダウンロードして使うことができるし、もちろん、自分で一から作ることもできます。

もちろん、シンプルにメモ帳として使うだけでもまったく問題ありません。Notionにはたくさんの機能があるので、「全部覚えるのは大変そう…」と感じるかもしれません。でも、実はそんなに機能を全部覚える必要なんてないんです。自分が使いやすい方法で使えれば、それで十分だと思います。

Notion公式サイトはこちら

これがNotionの画面(Mac版)。世の中にはNotionに対するいろいろな情報がありますが、まずは「便利なシステム手帳のようなもの」と理解しておくのがいいのではないでしょうか。

読書記録をNotionにした理由

さて、読書記録をつけるにあたって、どのツールを使おうか少し悩みました。Apple好きな僕としては、標準のメモアプリを使うのもアリだと思ったのですが、著者名やジャンルといった情報を整理して記録できる方法が欲しいと思いました。

そこで、フォームや記入欄をカスタマイズできるメモソフトがないかな…と探していたところ、たどり着いたのがNotionでした。

さらに、NotionはMac、Windows、iPhone、iPadなど、ほぼすべてのデバイス向けにアプリが提供されています。どのデバイスでも記録をつけたり、見返したりできるのは、とても便利で大きな魅力です。

もちろん、SNSやブログに読書の感想を書く方法もありますが、公開される情報となると、どうしても批判的なことは書きにくいですし、ほかの人が読んでもわかるように書かなければ…というプレッシャーが出てきてしまいます。

その点、Notionなら誰に見られる心配もなく、自分の好きなように、好きな分量で書けるのがいいんです。本によっては100文字くらいしか書かないこともありますが、自分しか見ないので、それでも全然問題ありません。気軽に書けるからこそ、続けられるというのも大きいと思います。それに、Notion自体は読書記録をつける前から使っていましたが、操作感もパフォーマンスも満足しています。

読書記録を始めて半年経ちましたが、やっぱりNotionを選んで良かったと感じています。

NotionはiPhone・iPadアプリがあります。誰かと話をしていて「あの本の名前なんだっけ…」と思ったときも、iPhoneアプリですぐに見返せるというわけです。

僕はこんなふうに作っています

それでは、僕がどのように読書記録をつけているのか、具体的にご紹介していきましょう。ここではNotionを使ったことがない人をイメージしながら書いていきます。僕は普段Mac版アプリを使って記録をつけることが多いですが、基本的な使い方はWindows版でも、iPhone・iPad版でも、Webブラウザ版でも変わらないと思います。

Notionを開くと、最初から読書記録というテンプレートがサイドバーに用意されていることがあります(サイドバーに最初に用意される項目は人によって違うような気がします)。また、Notion上でテンプレート検索をすると、ほかにも読書記録用のテンプレートがいくつか見つかります。でも、僕はそうしたテンプレートは使わずに自作しました。

公開されているテンプレートには、最初からいろいろな項目が用意されています。ISBNコードとか、リンク入力欄とか。こういった項目を使ってキレイに整理するのも楽しいと思いますが、入力箇所が多いとだんだん面倒になってしまう気がしたのです。だから、まずは気軽に使い続けられるように、僕は必要最低限の項目だけに絞ることにしました。

「一から作るのは大変そう」と思うかもしれませんが、全然そんなことはありません。スクリーンショットを載せながら手順を説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

Notionを初めて使うときには、アカウントの作成が必要になります。個人で使うなら、自分の好きな方法でアカウントをつくればいいと思います(Notionは企業でグループ利用するような使い方もあるのですが、そのケースは割愛します)。
Notionの画面はこんな感じ。さっそく読書記録を作っていきます。左上にある、新規ページ作成のアイコンをクリック。
新規ページが開きます。そしたら画面下側にある[…]マークを押して、メニューから[テーブル]を選びます。
こんな感じの表組みが登場します。
表のこの辺にマウスポインタを乗せると[サイドピークで開く]というボタンが表示されます。クリックしましょう。
右側からパネルがスライドしてきます。一番上の名前の部分には、本のタイトルを入れます。
項目を追加してみましょう。まず、「著者名」欄を作ります。[プロパティを追加する]をクリックするとメニューが開くので、[テキスト]を選びましょう。
項目が追加されます。項目の名称を入れることができるので「著者」などと入力しておきましょう。
著者が追加されました。続いて、読書状況の項目を追加します。これは、複数の選択肢から選べるような項目にしましょう。また[プロパティを追加する]をクリックし、今度は[セレクト]を選びます。
項目のタイトルに[読書状況]などと入れましょう。
項目を入れるときに「読了」と入れてみます。一度入力した選択肢は、それ以後メニューから選べるようになります。
「未読」「読書中」「読了」と選択肢を入力すれば、読書状況はだいたい網羅できるのではないでしょうか。
次に、書影(本のカバー画像)を登録できるようにしてみましょう。再度[プロパティを追加する]をクリックし、今度は[ファイル&メディア]を選びます。
項目のタイトルには「書影」と入れました。クリックするとファイルを選択してアップロードできます。自分で撮影したり、Amazonなどから書影をダウンロードして入れたりするといいでしょう。
感想は、項目の下のほうに書きます。ほかの誰にも見られないので、好きに書きましょう。
感想の上にある[コメントを追加]という欄は使わないので、非表示にしたいと思います。ウインドウ右上の[…]をクリックし、[ページをカスタマイズ]を選びます。
[コメント(画面上部)]という項目があるので、[非表示]を選びます。
このようにすっきりした表示になりました。あとは自分の好みに応じて項目を追加していきましょう。
パネルを閉じるとこのような表示になります。項目の順序はドラッグして変更できます。
次に、書影が並んだような見た目の画面を作りましょう。[テーブルビュー]の横にある[+]ボタンを押し、[ギャラリービュー]を選びます。
新しくギャラリービューが追加されました。「ビュー」とは、データの表示方法のことです。これで、テーブルビューとギャラリービューという2つの見た目を切り替えられるようになりました。ただ、このままでは書影が反映されていません。反映されるように設定しましょう。右側の[ビューのオプション]の中にある[レイアウト]から[ギャラリー]をクリックします。
[カードプレビュー]という項目が表示されるので、そこから[書影]を設定します。
これで書影が表示されるようになりました。お好みで、[画像を表示枠のサイズに合わせる]項目をオンにしてもいいでしょう。
これが、僕が実際に使っている読書記録です。恥ずかしいので感想はぼかしておきました(笑)。「読み始めた日付」や「おすすめ度」といった項目を入れています。読み終わらずに断念する本もあるので、あえて「読み終えた日付」項目はつくりませんでした。参考になればうれしいです。

一緒に読書記録始めてみませんか?

いかがでしょうか。読書記録をつけてみたくなったでしょうか。

僕のつくったテンプレートはあくまで参考なので、もっと入力項目を減らしてもいいと思います。とにかく、気軽に書けることが一番大切です。読書記録は、何よりも続けることに意味があるのではないでしょうか。

今回紹介した方法は、本だけでなく、映画とかマンガの記録にも使えます。実際、僕も映画の鑑賞記録もつけようかと考えているところです。

あ、そうそう。言い忘れていましたが、Notionは無料で利用できます。有料プランもありますが、ここで紹介した使い方なら無料で十分です。まずは、気軽に使い始めてみてはいかがでしょうか。

Notion公式サイトはこちら

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