PayPay証券の日本株取引はどんな人に向いているか

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僕はかれこれ数年間に渡ってPayPay証券(旧One Tap BUY)で米国株取引を行なっていますが、数カ月前から日本株も試しています。そこで見えてきた、PayPay証券で日本株を売買することのメリットとデメリット、そしてどんな人に向いているかを自分なりに書き留めておきます。

※2021年2月16日加筆・修正:サービス名称の変更に伴い、記事内のサービス名の記載を変更しました。スクリーンショットなどは執筆当時のままです。 

そもそもPayPay証券について

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PayPay証券は、1000円単位で株を購入するサービスです。

これまでの株取引というのは、それぞれの企業(銘柄)の株価に応じて購入額が変わるのが当たり前でした。買いたい銘柄があっても、株価が高いから手が出せない…というような状況があったのです。また、通常の日本株取引では、多くの場合1株単位では購入できず、銘柄ごとに最低購入株数(単元株数と言います)が、「100株」や「1000株」などと決まっています。そのため、株式投資をするには、ある程度のまとまった金額が必要だったのです。

一方PayPay証券は、どの銘柄であっても1000円から購入が可能です。1000円だと1株の値段に満たない場合は、「0.6株分購入した」というような処理がされます。1株に満たない場合でも、株価が上がった時には割合に応じてちゃんと利益(含み益と言います)が出るようになっているのです。もちろん、配当金が出たときも、持っている株数に応じて配当金額が計算され、取引口座に配当されます。

PayPay証券の短所

PayPay証券にはこうしたメリットの代償として、いくつかの短所があります。ここでは、日本株を購入するという視点で、僕が気づいている短所を挙げてみましょう。


1. 他の証券会社のツールで使えるような、複雑な購入方法が利用できない
2. 購入できる銘柄が限られている
3. 手数料が高くなるケースがある

それぞれちょっとずつ説明していきます。

1については、すでに他の証券会社で株取引をしたことがある人なら、不満に思う点だと思います。例えば「1株の値段が500円より上がったら購入を実行」または「1株の値段が400円より下がったら株を売却」というような条件を設定した注文方法は、PayPay証券ではできません。

PayPay証券は、とにかく機能を割り切ったサービスです。アプリ内ではチャート(値動きを表したグラフ)を表示させることすらできません。実際、僕もPayPay証券を使い始めた時は、機能の少なさに不満を感じました。しかししばらく使っていると、その機能の少なさこそがPayPay証券の魅力だということに気づいてきました。余計なことに煩わされずに買いたい株をすぐに買えるというのは、非常に大きなメリットです。通常の株取引では、買おうと思っても条件次第で成立しない(買い手がつかない)ということもありますが、PayPay証券ではその心配は一切不要です。株価チャートに関しても、他のツールでチェックすればいいのだから、さほど大きな問題にはなりません。

2の銘柄が少ないという点は、人によっては大きなデメリットと言えるでしょう。取扱銘柄の中に自分の買いたい銘柄が入って入ればなんの不満もありませんが、入っているのは超有名企業ばかり。「今はまだ無名だけど、今後成長しそうだから株を買っておこう」というような投資は、このサービスではできません。

3については、一概に「高い」とは言い切れません。まず前提として、PayPay証券の日本株の場合、通常の取引だと、1回の注文ごとに0.5%が手数料になります。一方、他のインターネット証券会社の場合だと、「1日20万円までなら手数料無料」といったものもあります。20万円の取引の場合、PayPay証券ならその0.5%だと1000円が手数料となる計算ですから、案外無視できない金額です。1日の値動きを狙って短期間で売買を繰り返したいという人は、正直PayPay証券は向いていないと言えます。

しかし、これはあくまでも数十万円規模の売買をする場合の比較にすぎません。少額で日本株を売買するサービスとしては「ミニ株」と呼ばれるサービスもありますが、ミニ株を扱う証券会社の場合、やはり0.5%程度の手数料がかかり、そこと比較すると差はないと言えます。

また、PayPay証券は2018年6月から「定額プラン」というサービスを開始しています。こちらは取引手数料を月額980円に固定したサービスです。先ほど書いたとおり、20万円×0.5%が1000円ですので、それ以上の金額を超える取引をするなら定額プランはお得、ということになります。

PayPay証券(日本株)に向いている人と向いていない人

いろいろと書いてきましたが、PayPay証券での日本株取引がどんな人に向いているか、または向いていないかをまとめてみましょう。

◯向いてる人
・株式投資未経験で、これから株を始めたい人
・少額ずつ投資したい人(積立感覚で日本株に投資したい人)
・大手企業の株式を長期に、安定した株運用を考えている人

◯向いていない人
・20万円以上の売買を行いたい人
・さまざまな銘柄から選んで購入したい人
・短期間の値動きを狙って細かく売買したい人

こんな感じでしょうか。

少額の取引であれば、株価が下がったときの損失も少なくなります。そういう点では、PayPay証券は敷居の低い株取引サービスだといえるでしょう。あくまで個人の意見ですが、「使おうかどうかをあれこれ悩むより、とりあえず始めてみて性に合わなければやめればいい」と思っています。 FXや仮想通貨などに比べたら、手を出して大やけどをする危険性は低いと思います。

もちろん、投資というものはリスクと隣り合わせで、買った銘柄が翌日大暴落する危険もあるかもしれません。どんな取引サービスを使っても必ずリスクは存在します。本記事では、安易な投資を推奨するつもりはまったくありませんので、その辺りは自己責任の上でご判断ください。

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